輸出還付稅政策は一部業界の製品の輸出狀況を好転させたが、それと同時にマイナスの影響ももたらした。國家稅務総局の統計によると、2009年の全國の輸出還付稅額は6487億元となった。これは財政収入が6487億元減ったことを意味する。この數字は2009年の稅収増加額を上回り、すでに深刻となっていた稅収に更なる圧力をもたらした。
マイナスの影響はほかにもある。中國本土の輸出企業は収入が多ければ利益も多いというわけではない。特に中國の労働密集型企業は輸出還付稅により利益を得ているのではなく、輸出還付稅に頼り低価格の競爭力を維持しているにすぎない。このような悪循環により、中國産製品はバリューチェーンにおいて低い位置づけとなっている。
中國財政部財政科學研究所の『渉外財政?稅務政策體系改革ルート』の課題報告には、輸出還付稅政策は産業によって効果も異なっている。高付加価値産業は輸出還付稅の大部分を企業の利益に転化し、輸出商品の価格は変化が少ない。一方、低付加価値産業は現在の利益レベルを維持するという條件下で価格優位性に転化し、競爭力を維持し、輸出量を拡大したいと考えている。
「輸出還付稅にはプラスの影響もマイナスの影響もある。現在はマイナスの影響が大きすぎる」と、劉克崮氏は話す。
また、4月下旬に開かれたフォーラムで、劉克崮氏は「輸出稅還付率を引き下げ、輸出稅還付を適度なものにする必要がある」と述べた。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月5日