サッカー?ワールドカップ(W杯)南アフリカ大會で、サポーターが吹き鳴らすラッパ型の応援グッズが注目を浴びている。この南アフリカの民族楽器「ブブゼラ」(vuvuzela)には、競技場の選手だけでなく、今大會に縁がなかった中國人も元気付けられている。なぜなら、プラスチック製ブブゼラの約90%が実は「メイド?イン?チャイナ」だからだ。中國新聞網が伝えた。
ブブゼラの音量は最高127デシベルに達し、競技場全體で吹き鳴らす場合、ジェット機が離陸する際のエンジン音よりも大きい。ブブセラはほとんどが中國の浙江省と広東省で生産されている。関連の市場予測によると、中國企業に2千萬ドル余りのビジネスチャンスをもたらすと見込まれる。
「メイド?イン?チャイナ」はブブゼラだけではない。今大會の公式マスコット「ザクミ」のぬいぐるみや攜帯ストラップ、キーホルダー、サッカーボール、國旗、ペンライト、帽子など、競技場內は中國製グッズで溢れ返っている。
しかし中國製グッズの活躍を喜ぶとともに、その影に潛む問題にも目を向けざるを得ない。これら安価な商品は海を渡ると、數倍ひいては數十倍という価格になるが、中國企業が得るのは南アフリカでの販売価格のわずか5%に當たる加工費のみで、大部分の利益は海外の販売業者や輸入業者の懐に入る。
市場シェアの90%と加工費の5%という2つの數字を簡単に比較することはできないが、この背景にある深刻な不均衡には大いに考えさせられる。「メイド?イン?チャイナ」は永遠にわずかな利益にしか値しないのか。世界産業チェーンにおけるこの苦境をどうすれば打開できるのか。
中國商務部のデータによると、中國製品のうち世界一を誇るものは現在200種にのぼっているにもかかわらず、國際的な競爭力を持つ世界ブランドはほとんどない。輸出製品のうち獨自の知的財産権を持つブランドは10%に満たない狀況で、ブランドの成長が遅れている。
中國で相次ぐ賃金引き上げがこのほど、全世界の注目を集めている。金融危機の発生後、中國の製造業は輸出の短期的な減少と賃金の長期的な上昇という客観的なマイナス要因を抱えている。しかし前向きな見方をすれば、これは▽中國製造業の転換?改善▽獨自のブランド?知的財産権の確立▽製品の技術水準?付加価値の向上--をはかる絶好の機會だと言える。
「メイド?イン?チャイナ」を生まれ変わらせること、対外貿易を「大」から「強」へと成長させること、獨自の世界ブランドを作り上げることが今後の中國にとって避けては通れない道となる。
「人民網日本語版」2010年6月22日