市場ニーズが激増する一方で、都市部では耐えられないほどの渋滯が発生しており、自動車企業は発展という本質から、生産?販売の拡大、利益の増加へと選択を変えている。
中國汽車工業協會によると、2010年9月末現在、中國の自動車販売臺數は1300萬臺に達した。しかし自動車業界の生産拡張規模はニーズの増加規模に追いついておらず、年末の販売最盛期を迎えるにあたり、企業は生産拡張を加速化している。
中國長安汽車集団の合肥工場が10月12日、合肥高新區南崗科技パークで著工?定礎式を行った。同社の徐留平副會長によると、合肥工場の総投資額は約30億元、敷地面積は約100ヘクタールで、プレス成形、溶接、塗裝、最終組立の4大工程を行う。建築面積は約50萬平方メートル、年間生産臺數は約40萬臺を計畫。建設期間は48カ月で、2015年1月の稼動を予定しており、長安ブランドの小型バスや小型商用車を生産することになる。
長安汽車は合肥工場の産業的地位に非常に重視している。徐留平氏は、工場の稼動後、年間売上高は110億元、稅収は6億6000萬元に達し、地方工業に330-480億元の増産額と7萬7000人の雇用をもたらすと予想する。また、中國長安汽車集団の戦略的構造の合理化、中部市場の獲得、多品種の自主ブランド発展の新たな成長點になると見込んでいる。
長安汽車のほか、鄭州日産、神竜汽車、東風ホンダなども生産拡張に乗り出している。
日産自動車のカルロス?ゴーンCEOは9月20日、河南省鄭州を訪れ、鄭州日産の第2工場の竣工式でスタートボタンを自ら押した。
鄭州日産の第2工場の投資額は約10億元、設計生産量は18萬臺、一期で14萬臺を実現する。第2工場の稼動後、鄭州日産の生産臺數は現在の年間6萬臺から20萬臺に増加し、工場の増築に伴い、2012年には年間24萬臺に達する見込み。
自動車企業の生産拡張について、東海証券?自動車業界研究員の呉文釗氏は、政府部門の生産拡張に対する厳格な態度と企業自身の理性により、自動車業界には生産能力過剰のリスクは現れていないと話す。それどころか、2009年から供給がやや緊迫な狀態が続き、設備稼働率は過去最高水準を維持しており、自動車業界の好景気と自動車市場の好調な狀態が続いている。また呉文釗氏は、今年の自動車販売臺數は約1760萬臺になる見通しで、購入稅の優遇政策が來年撤回されれば、省エネ自動車の補助金の効果がさらに高まり、通年の販売臺數は1800萬臺に達することもあると予想する。
中國自動車市場の脅威的な急成長に変化はない。9月中旬の花都自動車フォーラムで、國家情報センター情報資源開発部の徐長明主任は「乗用車市場は第一次高度成長期から第二次高度成長期に入り、潛在成長率は年平均25%から15%に調整され、自動車ユーザーは高所得層から中高所得層、中所得層へと徐々に移り変わる」と語った。
自動車企業の生産拡張戦略について、ベテラン評論家の賈新光は反対していないが、企業は販売目標を引き上げるだけでなく、産業レベルアップの問題も考慮すべきだと提起する。「中國は米國を超える世界一の自動車市場になったが、生産?販売臺數が超えたことで能力不足を覆うことはできない。中國はデザインの研究?開発、コア部品の技術、ブランドの運営などの面で劣るだけでなく、市場集中度が低く、企業の生産規模が小さいなどの深刻な問題も存在する。そのため、産業レベルアップを通して中國の自動車産業全體を振興させ、『自動車生産?販売大國』から『自動車強國』への転換を遂げることが、當面の最優先任務となっている」と、賈新光氏は話す。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2010年10月15日