中國社會科學院日本研究所の張季風研究員は「日本學刊」2013年第6期に発表した「日本の『失われた20年』を改めて観察」という論文で、日本の「失われた20年」はそもそも存在しない、比較する參照物を間違ったことにその誤りの原因があると指摘した。
米経済誌フォーブスは最近エーモン ?フィングルトン氏の「日本の失われた20年説は大きな罠」と題する記事を掲載し、日本で大きな反響があった。同氏は自らの論點を証明するため、「インターナショナル?エコノミー」誌に掲載された米経済學者ウィリアム?クライン氏の「日本という錯覚:“失われた20年”説のまやかし」と題する記事を引用するとともに、2008年にノーベル経済學賞を受賞したポール?クルーグマン氏も同じような、つまり日本経済の低迷に関する見方は経済學的根拠に欠けるという主張をしている。
文章は短く、同意しかねる視點もあるが、賛同できる點も多い。著者は本文で明らかに、米政府は「失われた20年」というウソにごまかされ、不適切な対日政策を取ってきた結果、米國は非常に多くの経済的利益を失ったということを示唆している。一方の中國では、中日の政治関係の悪化および両國の國民感情の悪化などの影響でメディアから學者、官僚まで多かれ少なかれ「失われた20年」に惑わされ、日本経済を読み誤り、それが対日政策の判斷に影響してきた可能性がある。深い霧に覆われた「失われた20年」の偽りと真実を解明し、日本経済の真相をつきとめるのは、日本を全面的かつ冷靜に認識する上で有利になる。