環太平洋経済連攜協定(TPP)の交渉參加12カ國は10月5日、米アトランタで開かれた閣僚會合において大筋合意に達した。これは米國主導の新たなアジア太平洋経済?貿易體制の大まかな形成を意味し、交渉參加國の立法機関の審議?批準により発効することになる。多くの観測筋は、TPPの交渉がすでに煮詰まったと判斷しており、「排斥された」中國に焦點を絞っている。この諸説紛々たる新たな貿易圏に対して、中國は冷靜に対処し、駆け引きをすればよい。
中國商務部の報道官は6日、「中國は世界貿易機関の規則に合致し、アジア太平洋地域の経済一體化を促進する制度の制定に対して、開放的な態度を持っている」と表明した。この10年間の準備期間を経た米國の貿易メカニズムは突如登場したものではなく、「狼が來た」という叫び聲はもはや耳に新しくない。中國は心の備えができており、開放的かつ率直で、大らかかつ前向きな姿勢を示した。中國は自信を持ち、交渉を楽観視していた。
TPPの全條項はまだ公開されていない。しかし貿易ルールの再構築、貿易基準の引き上げ、「全面的な網羅」で一般的な自由貿易枠組みを超越するという特徴により、TPPは中國の臺頭をけん制し、WTOの枠組みを捨て貿易の新制度を別に作る場とされている。特に競爭制度、食品安全、知的財産権、政府調達、グリーンな成長、労働者の保護などは、中國を隔離する新たなハードルと理解されている。これはTPPが中米の駆け引きと単純に解釈されやすい原因だ。
世界は広く、発展のバランスが亂れている。各國は貿易で強く結びついており、産業の分業が細分化されている。12カ國がこのすべての問題を引き受け、管理できるはずがない。ましてやこの「友人グループ」は一枚巖ではなく、発展の程度も異なり、WTOの縮小版と言えるほどだから尚更だ。これらの內外の要因により、TPPは革命的な貿易制度、畫期的な規則ではなく、せいぜい既存の枠組みの良い點を集めアップグレードさせただけであることが分かる。
TPPは中國にとってチャンスや原動力であり、悪夢や圧力ではない。中國は少なくともピンチをチャンスにし、より高い基準とハードルにより中國製品の競爭力、海外貿易の付加価値を高めることができる。今年7月、WTO加盟から15年內の保護期間というボーナスが終わり、中國は規則の追従者?適応者から最大の受益者になった。WTOの門前を徘徊していた狀態と比べ、TPPの壁の外に隔離された中國の危機感とプレッシャーは、過度に誇張されていることが分かる。
TPPは恐ろしくない。中國から離れ、自分だけ無事で済ませることのできる國はない。特にアジア太平洋では、そうすれば自縄自縛に陥るだろう。14億人弱の巨大な市場には、侮れない成長の潛在力がある。TPP參加國は新たな規則から離れ、中國との協力とウィンウィンの機會を模索することができる。ましてや中國はアジア太平洋で多くの二國間?多國間自由貿易枠組みを形成しており、國內の自由貿易実験區の構築に全力をあげているのだから尚更だ。これはTPP発効後の悪影響を相殺し、発展と世界への融合を促していくだろう。
TPPは新たな「狼が來た」という叫び聲に過ぎない。中國はWTOに加盟してから15年が経過し、危機を恐れる必要はなくなった。中國は狼と交流し、自らを一流の戦う狼にする必要がある。これらの関門と試練を突破できなければ、中國は真の臺頭を実現し、世界の貿易?経済強國になることはできない。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2015年10月10日