経済> |
m.lbxysyl.com |02. 03. 2022 |
〈中國都市総合発展指標2020〉から見た新型コロナパンデミック下の中國都市発展
さらに〈中國都市総合発展指標2020〉のいくつかの具體的な指標データからは、以下のような知見が得られる。
5.都市のレジリエンス(回復力)を存分に発揮
2020年中國各都市の新型コロナウイルス新規感染者數(海外輸入感染癥例と無癥狀例を除く)において、最も感染者數が多かった10都市は、初期に新型コロナウイルスパンデミックに見舞われた武漢とその周辺に集中した。且つ中國全土新規感染者數の80.8%はこの10都市に集中した。中國は、およそ1カ月余りでこれら都市での感染拡大を抑え、約2カ月で1日當たりの新規感染者數を1桁にとどめ、約3カ月でゼロ?コロナ狀態にした。
最も感染者數が多かった11位から20位都市の中には、全國におけるGDP規模トップ10都市である上海、北京、深圳、広州、成都、重慶、杭州のほか、ハルビン、長沙、南昌、合肥、ウルムチ、寧波、溫州、蚌埠、南陽などの省都や地域経済の中心都市が含まれた。なかには何度もウイルスに襲われた都市もあった。
最も感染者數が多かった1位から20位の都市の醫療リソースを、「中國都市醫療輻射力2020」で見ると、北京、成都、上海、広州、杭州、武漢の6都市が同輻射力トップ10に入り世界の大都市にも匹敵する醫療機関や醫療従事者の厚みを持っている。
しかし、恵まれない都市も多い。最も感染者數が多かった1位から20位の中で、湖北省に屬する12都市を見ると、武漢を除く11都市は醫療リソースが少ない。例えば孝感、黃岡、隨州、信陽、南陽の5都市は「中國都市醫療輻射力2020」で200位以降だった。荊州、鄂州、襄陽、黃石、荊門、咸寧の6都市は100位~200位にあった。
こうした狀況に鑑み、中國では全國で醫療派遣が実施された。醫療輻射力の強い都市が弱い都市を支援し、すべての都市に科學的な予防と醫療を実施できるリソースを迅速に行き屆かせた。よって、いち早く生産活動の再開を実現し、市民生活を取り戻した。
中國は、感染癥制御と経済復興を両立させ、新型コロナウイルスパンデミック以來、主要國で初めて経済成長を実現した。中國の都市の強靭な回復力と活力を見せつけた。
6.陸空海輸送はコロナ対策と経済回復を保障
「中國都市空港旅客取扱量2020」と「中國都市航空貨物取扱量2020」のランキングを見ると、空港旅客取扱量と航空貨物取扱量のトップ10都市はほぼ一致している。これら10都市は、中國の空港旅客取扱量の45%、航空貨物取扱量の72.8%を占め、中國における航空輸送の主要拠點都市となっている。
「中國都市港灣コンテナ取扱量2020」トップ10都市は、上海、寧波、深圳、広州、青島、天津、廈門、蘇州、営口、大連であり、この10都市で中國港灣コンテナ取扱量の70.8%を占めている。新型コロナウイルス感染拡大期には、ロックダウンにより一時生産がストップしたことがあったものの、各主要都市では、陸空海輸送を駆使し、緊急物資輸送を円滑に実施した。
中國交通運輸部(省)のデータによると、2020年の中國港灣貨物取扱量は145億5000萬トンに達し、前年比4.3%増となった。國際貿易および産業サプライチェーンの安定化を保障した。
7.デジタルエコノミーが急成長
「中國都市IT輻射力2020」ランキングのトップ 10 都市は、北京、上海、深圳、杭州、広州、成都、南京、福州、武漢、廈門である。いずれも中國で最も経済的に発展した都市であり、多くの上場IT企業及び従業員を有し、ITインフラが充実している。新型コロナウイルスパンデミックにより行動が制限された時期もあったが、新鋭のITインフラと豊富なIT人材を活用し、中國でオンラインショッピング、在宅勤務、オンライン會議、クラウド展示會などが急速に普及した。都市のデジタル経済は大きく成長し、産業経済のDX化が加速した。
新型コロナ禍でも、ECは小売消費を押し上げ、越境ECは対外貿易を安定させた。中國國家統計局によると、2020年中國ネット通販売上高は11兆7,601億元に達し、前年比10.9%増となった。このうち、物品のネット通販売上高は9兆7,590億元で14.8%増となり、中國の社會消費財小売総額の24.9%を占め、前年同期比4.2ポイントもアップした。
中國稅関総署のデータによると、2020年における中國の越境EC輸出入は31.1%増加した。なかでも輸出が1兆1,200億元で40.1%増、輸入が5,700億元で16.5%増となった。新型コロナパンデミックが國際貿易を揺さぶる中、越境ECは貿易を安定化させる重要な力になってきている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2022年3月2日