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中華人民共和國と日本國との間の平和友好條約

?(一九七八年八月十二日)

 

中華人民共和國及び日本國は、

1972年9月29日に北京で中華人民共和國政府及び日本國政府が共同聲明を発出して以來、両國政府及び両國民の間の友好関係が新しい基礎の上に大きな発展を遂げていることを満足の意をもって回顧し、

前記の共同聲明が両國間の平和友好関係の基礎となるものであること及び前記の共同聲明に示された諸原則が厳格に遵守されるべきことを確認し、

國際連合憲章の原則が十分に尊重されるべきことを確認し、

アジア及び世界の平和及び安定に寄與することを希望し、

両國間の平和友好関係を強固にし、発展させるため、

平和友好條約を締結することに決定し、このため、次のとおりそれぞれ全権委員を任命した。

 中華人民共和國   外交部長  黃 華

 日本國       外務大臣  園田 直

これらの全権委員は、互いにその全権委任狀を示し、それが良好妥當であると認められた後、次のとおり協定した。

第一條

1 両締約國は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、內政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両國間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。

2 両締約國は、前記の諸原則及び國際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛爭を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

第二條

両締約國は、そのいずれも、アジア?太平洋地域においても又は他のいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しようとする他のいかなる國又は國の集団による試みにも反対することを表明する。

第三條

両締約國は、善隣友好の精神に基づき、かつ、平等及び互恵並びに內政に対する相互不干渉の原則に従い、両國間の経済関係及び文化関係の一層の発展並びに両國民の交流の促進のために努力する。

第四條

この條約は、第三國との関係に関する各締約國の立場に影響を及ぼすものではない。

第五條

1 この條約は、批準されるものとし、東京で行われる批準書の交換の日に効力を生ずる。この條約は、10年間効力を有するものとし、その後は、2の規定に定めるところによって終了するまで効力を存続する。

2 いずれの一方の締約國も、一年前に他方の締約國に対して文書による予告を與えることにより、最初の10年の期間の満了の際又はその後いつでもこの條約を終了させることができる。

以上の証拠として、各全権委員は、この條約に署名調印した。

1978年8月12日に北京において、ひとしく正文である中國語及び日本語により本書二通を作成した。

 中華人民共和國のために       黃  華(署名)

 日本國のために           園田 直(署名)


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