戦後、日本は一気に起ち上がり、國民は力を合わせ、想像を絶するほど困難な壁を幾度となく越えてきた。しかし、東日本大震災は人々の心に再び深い傷を殘した。想い出が詰まった家は瓦礫の山になり、放射能の恐怖は依然として消えず、復興の光が見えないと感じている人も多いはずだ。このような時に、「五輪招致」という「強硬手段」に頼って日本を元気付けるのは、無理があるのではないだろうか。
それに、五輪を開催するだけの経済負擔に日本は耐えられるのだろうか。
1964年の東京オリンピックで日本が投入した資金はオリンピック史上最高額だった。今の日本経済はどん底の狀態から抜け出せずにいる。政府は毎年、國債を発行することで、なんとか発展を維持している。そのため、日本は先進國の中では「借金」がもっとも多い國だ。このような首が回らない財政狀態では、オリンピックの開催どころか、招致を行う経費をまかなうのも一苦労だろう。更に、大震災に見舞われた日本國民にとって、オリンピック開催のために増稅するなど、納得できる人は一人も居ないはずだ。