日銀の黒田東彥総裁は26日、金融市場を奮い立たせる內容の講演を行ったが、株式市場はこれにほとんど反応しなかった。27日に発表された日銀の議事録も好材料を與えることはできず、日経平均株価は同日の取引終盤で大きく下げ、下げ幅は3.22%に達した。黒田総裁の講演も、日銀の議事録も、日本の國債市場の変動への警戒感を示すものとなっている。
27日に発表された日銀の議事録は、金融政策決定會合が4月末に行った會合の議事要旨。出席した委員らはこの中で、日本経済に復活の兆しが現れ、日本経済は2013年中期に復活するとの見方を一致して示している。會合ではさらに、金融緩和政策を引き続き実施することが確認され、 インフレ率の2%以上の上昇を2年內に実現する目標が掲げられた。さらに日本國債市場の流動性低下を防止する措置を引き続き取っていくべきとの意見も出された。
日銀がこれまでにない金融緩和策を打ち出した翌日、日本の10年物國債利回りは0.315%の史上最低を記録した。だが新政策は債券市場の混亂を引き起こし、10年國債金利はすぐに反発し、4月26日には0.59%に達した。
日本國債利回りはその後上昇を続け、先週にはここ1年余りで最高の1.0%に達し、日銀は市場に緊急資金を注入した。前日、米連邦準備理事會(FRB)が、金融緩和政策を続けることを発表したことから、日本円レートは反発し、日本の株式市場も亂高下し、當日の日経平均株価は7%を超える下げ幅となった。
日本の株式市場は年初から5割近く上がっており、株価の上昇速度は、企業の利益や経済の回復が日本の株式市場にもたらす実際の上昇程度をはるかに超えていた。これを考えれば、日本の株式市場の反落も自然である。日本國債金利の上昇や日本円レートの反発、FRBバーナンキ議長の議會証言などを通じて調整が実現され、現在は、今後の経済データを見ながら方向を模索する狀況にあるとも捉えられる。ただ専門家の一部は、日本 の株式市場の大幅下落が“アベノミクス”の蜜月の終わりを示すものであるとも指摘している。
ここ半年の日本株式市場と日本円レートの値動きは、アベノミクスという強烈な薬がもたらした市場効果だった。日本経済のこれまでの成績は良好で、株式市場も安倍首相にメンツを與えるものだった。しかしアベノミクスの弱點も徐々に明らかになりつつある。そのうちの一つが國債市場で ある。もしも経済が高まり、物価が上昇しているのなら、國債の利回り上昇も自然である。だが日本政府が抱える巨額の負債の利回り上昇は、巨大な財政圧力にもつながる。推算によると、日本國債の利回りが1ポイント上がるごとに、日本政府の金利支出に財政収入の4分の1が飲み込まれるという。これが日本経済に與える影響は決してプラスとは言えない。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2013年5月29日