日本の與黨?自民黨は8日午前、総裁選の告示を行った。立候補者が出なかったため、現職の安倍晉三総裁が無投票により再選を果たした。
中國人民大學東アジア研究センター教授の黃大慧氏は、安倍首相の當選について、「日本國內では市民による大規模な抗議活動が生じたが、安倍首相が総裁に再選した。これは黨內にライバルがいなかったからで、安倍首相が無敵であることを意味しない」と新京報の記者に語った。
安倍首相は就任以來、経済ではアベノミクスを推進し、政治では集団的自衛権の行使容認と改憲を推進している。黃氏は、「これらの措置は自民黨內から賛同されている。最近の集団的自衛権の行使容認により支持率が低下したが、就任以來の支持率は高水準を維持している。本人もスキャンダルを報じられておらず、黨內で呼び聲が高くなっている」と話した。
安倍首相は自民黨內での地位を固め、ライバルに挑戦の口実を與えていない。黃氏は、「地方創世擔當大臣の石破茂氏は、有力なライバルと目されていた。前回の総裁選で安倍首相に惜敗し、今回の総裁選に出馬するとすれば厳しい相手になるはずだった。しかし石破氏は黨內の情勢に従い、理由もなく挑戦することはできなかった。自民黨內には多くの派閥があり、普段は対立しているが、黨の危急存亡の時には一致団結し対処するという伝統がある」と指摘した。
安倍首相がこれほど順調に再選したことには、今回の総裁選が特殊な時期に実施されたという理由もある。黃氏は、「現在は重要な時を迎えている。參議院で今月、安保関連法案が採決されようとしている。これは自民黨にとって最も重要な件であり、黨內で誰かが安倍首相に反旗を翻せば、自民黨內が団結していないと見られ、安保法案の採決に暗い影が落ちただろう」と分析した。
総裁選を公平に見せるために、誰も立ち上がらなかったわけではない。ただ立ち上がった人物に、競爭力がなかっただけだ。元総務會長の野田聖子氏は20人の國會議員の推薦を集められず、出馬見送りを宣言した。
黃氏は、「形だけの候補者がいなかったことも、良い現象とは言えない。これは自民黨內に人材がおらず、安倍首相が黨內でいかなる制約も受けないという印象を與える。そもそも強硬な姿勢だった安倍首相は、さらに獨斷専行を強めるだろう」と警戒した。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2015年9月10日