米メディアによると、1972年11月4日、上野公園に多くの人が集まった。初めて公開される2匹のかわいい希少動物を一目見るためだ。オランウータンが歓迎の看板を持ちあげる。その後、幕が引かれ、人々は緊張する2匹のパンダ、カンカンとランランを見に走った。日本人は熱狂した。2匹のパンダだけではなかった。パンダを代表するもの、つまり中日友好にも。

アメリカのサイト「Ozy」に先ごろ掲載された記事によると、中國文化外交に対する日本人のこのような積極的対応は、今から見ると想像しがたいものだ。この30年間というものの、両國関係は冷え切ったままだからだ。2016年、中國に親近感を持つ日本人はわずか14.8％だが、1980年は78.6％もあったのである。當時の両國の好感度が高かったことを理解するためには、1972年に話を戻す必要がある。この時期中日両國は、冷戦の膠著狀態(tài)を打破し、國交正常化を実現(xiàn)させた。それを記念して、北京は日本に一対のパンダを日本に贈ったのだ。

パンダの來日によって、日本で「パンダブーム」が巻き起こった。ハーバード大學教授のイアン?ミラーは著書「野獣の本性」で、カンカンとランランはメディア史上前例のない注目を集めたと記す。“パンダ記者”が張り付いて報道をした。人々は動物園が新設した「パンダゲート」の外で徹夜した。毛がフサフサした2匹の“外交官”が來日してから3カ月で100億円相當のパンダグッズが売れた。動物園の來場客が數(shù)時間並んでも、パンダを見られるのは一瞬だった。これを見た作家の井上ひさしは、「これだ。パンダパターンだ。これだ。パンダブランドだ。まさにジャパンダだ！」と記している。