中日関係の悪化について議論する際に、その原因を中國の「臺頭」とする人がいる。これは中國が立ち遅れたままであれば、アジアの2大國は良く付き合えるという意味だ。そこである論者は、中國は考え方を変え日本を理解すべきと考えている。また日本に対して、心理狀態(tài)を整え隣國の臺頭という現(xiàn)実を受け入れるよう期待する人もいる。11日付シンガポール華字紙「聯(lián)合早報(bào)」が伝えた。(筆者?卓南生中國在住のシンガポール人學(xué)者）

　一見したところ、このような推理は理にかなっているようだ。特に日本はよく「失われた10年」「20年」さらには「30年」と呼ばれており、この現(xiàn)狀によりかつて世界2位だった経済體は隣國の「臺頭」にいい気分になれない。

　日本は上下関係を重んじ、格付けを愛する國だ。戦後間もなくマッカーサー元帥から「四等國」と貶められ、やっとのことで上り詰めたのに再び急落した。大和民族は優(yōu)秀という説の影響を深く受ける日本人が、隣國に対して複雑な心理狀態(tài)であるのは想像に難くない。

　しかしこれを中日関係の悪化の主因と斷定し、両國のパワーバランスと強(qiáng)弱の変化によるものとするならば、問題を単純に捉え過ぎている。近現(xiàn)代史を振り返ると、中國にも弱い時(shí)代（甲午戦爭から第二次大戦終戦まで）があったが、この時(shí)代の中日関係は友好的で平和な狀態(tài)ではなかった。むしろこれは日本が隣國を侵略し、中日両國が敵視し合っていた時(shí)代だ。両國関係の悪化が中國の臺頭から始まるという説が成り立たないのはこれで十分わかる。

　また日本の一部の政治家や大衆(zhòng)メディアが中國の臺頭を熱心に取り上げるが、これは政府が危機(jī)感の演出に長けていることとも関係している。特に日本國內(nèi)は「総保守化」に向かい、戦後の平和憲法の束縛から早急に脫しようとしており、「中國臺頭論」が「中國脅威論」を誇張する材料になっている。さらには日本は武裝を強(qiáng)化し、改憲し派兵すべきとの重要な論拠になっている。この論理と目標(biāo)は、戦後の日本國內(nèi)の各時(shí)代に掲げられたソ連脅威論、朝鮮の核の脅威論などと同工異曲だ。

　1972年の中日関係正常化後の歴史を真剣に振り返ると、日本が中國に対する対抗を大幅に強(qiáng)めた転換點(diǎn)は、クリントン大統(tǒng)領(lǐng)と橋本龍?zhí)墒紫啶该兹瞻脖l約」を再定義した1996年であることが分かる。米日両國の安保の問題がかつての舊ソ連（ロシア）から今日の中國に転じたのはこの時(shí)だ。

　この角度から見ると、日本が冷戦終結(jié)後に米國から承認(rèn)を得た後、焦點(diǎn)を日露の「北方領(lǐng)土」をめぐる紛爭から釣魚島及びその付屬島嶼をめぐる紛爭に転じ、かつ臺灣海峽の事態(tài)に向け異常な関心と興味を公然と示していることに、國內(nèi)外の戦略の調(diào)整と計(jì)算があることは明らかだ。

「中國網(wǎng)日本語版（チャイナネット）」2021年11月12日