昨年10月2日深夜、日本海沿岸に近い朝鮮半島の國境にある非軍事地域の韓國側歩哨所で、ひとりの韓國兵が、誰かが窓ガラスを叩いていることに気づいた。振り向くと、脫走した北朝鮮の兵士が立っているのに気づき驚愕した。
東西に248キロ、南北に4キロという非軍事地域に、韓國軍は約100か所の歩哨所を設けている。そこには赤外線探知機や監視カメラが設けられているが、この北朝鮮兵士を発見することができなかった。北朝鮮の侵攻を食い止めるための防御線であるはずなのに、簡単に突破されてしまったのだ。韓國メディアはこの事件を「窓ガラス叩き投降」と報じ、國內は騒然となった。
非軍事地域の荒野には數多くの障害物があるが、最終的な防御は人頼りだ。しかし全ての歩哨所のうち、韓國兵が駐留しているのは70%以下に留まる。歩哨所は30~40人が24時間體制で監視する必要がある。少子化が進む韓國では兵士數の減少が続いており、防衛の負擔はますます重いものとなっている。
韓國政府の統計によると、15~64歳の労働人口は2017年に減少に転じる。総人口は2031年をピークに減少が始まる。軍隊の徴兵人口もその直接的な影響を受けることになる。韓國國防省が2005年に発表した「軍隊現代化計畫」では、すでに兵士數削減計畫が盛り込まれている。2006年の韓國軍は68萬人だったが、現在は61萬人。2020年には52萬人に減少すると予測されている。
このように少子化や高齢化が、各國の國防に大きな影響を與えている。特にアジア地域が顕著だ。