香港の『南華早報』は9月17日、「留學帰國者が就職待機者に」という見出しで、中國の卒業生は留學が就職に與える価値を考え直すようになっていると論じた。劉さんはニューヨーク大學でドキュメンタリー制作科大學院を修了し、北京で生活を安定させたいと思い帰國した。しかし、業界トップクラスのスタジオに面接に行った後、28歳の彼女の考えは変わった。
報酬はドキュメンタリー1本で15萬元、1年で1本完成させるのがあっとである。劉さんは、「努力して學んだのに、その程度の収入では納得できない」と話す。劉さんは留學中に學費、家賃、生活を含めて約100萬元使った。このような失望感を抱く留學生は劉さんだけではない。現在は1990年代の留學黃金時代と異なり、海外の學歴を持っているからといってよい仕事に就けるわけではない。劉さんは自分はまだ幸運な方だと思い、自分のスタジオを開き、長期の仕事をしながらショートフィルムを制作している。
留學帰國者の競爭は激化しており、多額の留學費用がかかっても、彼らの初任給は國內の大學卒業生より少し高いだけである。中國?グローバル化研究センターと智聯招聘が9月に発表した報告によると、3カ月以內に就職先を見つけた留學帰國者は3分の1、半年以內に見つけた人は約89%、給料が予想より低かった人は68%に達した。初任給6000元以下は44.8%、6000~10000元は35.7%、10001~20000元は13.7%、2萬元を超えたのはわずか5.8%だった。卒業生の多くが校內での就職イベントや実習を通して仕事を見つけるが、留學帰國者は海外で重要な時期を逃してしまい、帰國後に職業経験のある人たちと爭うことになる。
帰國後に仕事が見つかるまで待っている留學帰國者を表す「海待」という言葉も生まれた。しかし、留學のメリットを金銭面の利益だけで判斷してはいけない。中國?グローバル化研究センターの李慶研究員は、「留學帰國者は経済面の利益だけにとらわれるべきではない。留學には個人の発展能力の向上や視野拡大などのメリットもある。留學生には大きな潛在力があり、いつか発揮できる」と話す。26歳の楊金亜さんもこの考え方に賛成している。楊さんは英語訓練センターで教員育成とカリキュラム開発を擔當している。彼女は2年前にエディンバラ大學を卒業したが、最初に見つけたのは月収3000元の英語教師の仕事だった。彼女は転職する機會に恵まれ、月収も稅引き後2萬元になった。劉さんのドキュメンタリースタジオの経営はうまくいっており、「留學経験があるおかげ」と話している。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月18日