答 現在、中國社會は総じて調和が取れている。だが、過去20年余りの間、経済が高成長を遂げ、利益の枠組みの調整と社會構造に重大な変化が生じた中で、社會の調和に影響する矛盾や問題が存在するのは避けられないことだ。とくに収入の分配格差の拡大や醫療、養老などの社會保障システムの不健全さ、これに加えて住宅価格や教育費の高止まり、大學生の就職難などから、人びとは將來に懸念を示すようになった。調和の取れた社會の構築を打ち出したのは、社會に普遍的に存在する不安を緩和するためだ。それは経済と社會の持続可能な発展に役立つだけでなく、社會の安定した運営にも役立ち、國情にかない、民意に即するものである。 民主と法制が西側思想の精髄だと言うなら、調和の取れた社會は、中華民族の伝統的思想の精髄を汲み取り、それを近代化させたものだと言えるだろう。中國が構築しようとしている調和の取れた社會とは、民主と法治、公平、正義、信用、友愛を備え、活力に満ち、安定して秩序があり、人間と自然が協調して付き合う社會のことである。目標は次のようなものだ。 第1に、社會主義民主法制をより完備させ、法治國という基本方針を全面的に実施することで、人びとの権益を確実に尊重し保障する。 第2に、都市?農村部、地域の発展の格差の拡大傾向を徐々に抑え、合理的で秩序ある収入分配の枠組みをほぼ確立して、家庭の財産を増やすことで、人びとがより豊かな生活を送れるようにする。 第3に、就業の機會を拡充し、都市?農村部住民をカバーする社會保障システムをほぼ確立する。 第4に、基本的な公共サービスシステムをより充実させ、政府の管理とサービス水準を高める。 第5に、全民族の思想?道徳の資質、科學?文化的素養、健康水準を著しく向上させ、良好な道徳気風、調和の取れた人間関係をさらに形成していく。 第6に、全社會の創造力を著しく高め、革新型の國家をほぼ建設する。 第7に、社會管理システムをより完備させ、良好な社會秩序を形成する。 第8に、資源の利用効率を著しく高め、生態環境を著しく好転させる。 第9に、十數億の人口にかかわるより水準の高い、いくらかゆとりのある社會を全面的に建設する目標を実現し、全ての人がそれぞれその能力を盡くし、それぞれ適所を得ることで、協調して付き合えるように努める。 社會の調和は、中國の特色のある社會主義の本質的な屬性である。調和の取れた社會を構築するには、底の厚い物質的な基盤が必要であるばかりでなく、それは産業政策や就業政策、教育政策、醫療政策、養老保険メカニズムなど多方面と関係がある。そのため、政府は人びとが最も関心を寄せ、最も直接的で、かつ最も現実的で切実な利益の問題をしっかりと捉えて、社會の建設を強化し、政府の転換を推し進め、執政能力を高めていく。同時に、體制やメカニズムの面から、社會の公平を保障し、貧富の格差をさらに縮小し、就業の機會を拡大し、醫療?衛生、教育、社會保険などの分野で率先して改革を推進し、20年までに、社會主義の調和の取れた社會を構築する目標と主要な課題の達成を目指していく。 ? 「チャイナネット」2008年2月 ? |