曹樹軍君(16歳):「根生博愛の家」で働きたい
曹樹軍君は他の子どもたちとはいっしょに座らず、テーブルの隅に一人で座っていた。私が聲をかけても顔を上げてこちらを見ようとはせず、聲も小さかったため、何度も聞き直さなければならなかった。
曹君も進學はあきらめていた。経済的な事情からか、ここでは學業を続けられる子どもは少ないようだ。曹君はいま、街中の小さな食堂で料理を習っている。その気があればこのまま働かないかと言われているが、彼の目はその食堂ではなく、この「根生博愛の家」に向いている。料理には興味があるので、まずはその食堂でいろいろと技術を學び、機會があったら「根生博愛の家」で料理人になりたいと考えている。
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