北京市から3000キロメートル以上離れた西北の辺境、新疆ウイグル自治區(qū)塔城地區(qū)裕民県南部では、雄大な巴爾魯克山が東西に橫たわる。山の南は現(xiàn)地の牧民が代々遊牧生活を続けてきた農(nóng)場だ。牧民の巴哈提?特留克西さん(53)の一家はここで暮らしている。

「巴哈提」は「幸福」を意味する。この名字には先祖の、次の世代の美しい生活への最も素樸な願いが込められている。牧歌が數(shù)十年響き渡ったが、一家の仕事に勵む両手、社會の進歩?発展の大きな流れにより、幸せな願いが現(xiàn)実になっている。

父の世代から鞭を受け継いだ巴哈提さんと、勤勉な夫の哈布得拉什么?努素普別克さんは毎日働き、徐々にお金を貯めた。200頭超の羊、20頭超の牛、10頭超の馬。夫婦は石と牛糞で作った囲いを広げていった。

一家が握っているのはもはや鞭だけではない。創(chuàng)意に富む巴哈提さんは牧場で店を開いた。當(dāng)初はタンスほどの大きさだったが、今や約40平方メートルある。彼女と夫の分業(yè)も徐々に明確になった。放牧は夫と若く力のある息子の賽孜木さんに任せ、自分は店の経営を擔(dān)當(dāng)した。

父母が牧民として厳しい道を歩んだのと異なり、娘の昆樹阿克さんは山の外の世界に通じる通學(xué)路を歩んでいる。新疆醫(yī)科大學(xué)、國家無償醫(yī)學(xué)生プログラムなど、牧場の人々がこの優(yōu)秀な牧民の次の世代について語ると、一家は誇りに思うのだった。

今年の立春後、新學(xué)期に娘を?qū)W校に送るついでに、五十代後半の哈布得拉什么さんは人生で初めて約600キロメートル離れたウルムチを訪れ、忘れがたい3日間を過ごした。春分の頃、巴哈提さんの一家は忙しく羊の出産を迎えた。今年は100頭余りが出産を控えており、4月末までは忙しくなりそうだ。

「昆樹阿克」は「陽光」を意味する。巴哈提さんは娘の名前について、「私たちの暮らしと同じだ」と説明した。