この60年間、世の中は大きく変化し、波瀾に満ちていた。これまで経験したことのない多くの変化を人々は見てきた。成果は喜ぶべきものであるが、輝かしい數字を通して、中國の基本的國情が依然として発展途上國レベルであることを冷靜に認識しなければならない。
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特集:新中國成立60周年
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世界経済成長貢獻度1位 1人當たりGDPランキングは依然100位以下
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國內総生産(GDP)は総合的な國力を表す重要な指標だ。統計データがある1952年には、中國のGDPはわずか679億元だったが、昨年、30兆元を突破し、中國は世界第3位の経済大國となった。
改革開放政策スタート以降、約10%の成長率を維持してきた中國経済は、世界の経済成長の主要なエンジンとなり、世界経済の構図の中でその一挙手一投足が全體に影響を及ぼす重要な役割を擔っている。データによると、昨年の中國の世界経済成長に対する貢獻度は22%に達し、米國を超え世界第1位となった。また、國連の関係機関は、今年、中國の世界経済成長に対する貢獻度は50%に達する可能性が高いと予測している。
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だが、中國経済が世界第3位の規模に成長し、世界のGDPに占める割合が約6.4%と米國の4分の1に達したにもかかわらず、1人當たりのGDPが100位以下である點に注目しなければならない。
北京師範大學の鐘偉教授は「成果を強調するあまり、中國が工業化と都市化の重要段階にあるという現実認識を誤ってはならない」とした上で、「人口?資源問題が重くのしかかる発展途上大國としての、中國の基本的な國情は変わっていない」と指摘する。
さらに重要なのは、中國経済が長年にわたり急速に成長してきた背後で、資源?環境面における代償や、収入分配の相対格差の拡大という代償を支払い、経済発展モデルを転換せざるを得なかった點だ。「科學技術に依拠した発展のみが、中國を『経済大國』から『経済強國』に変貌させることができる」と鐘教授は語る。
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外貨準備高第1位 喜びの背後の「悩み」
外貨準備高は國力と経済力を象徴的に示す指標である。2006年2月から現在に至るまで、中國は外貨準備高世界一の座を堅持し、現在、2兆ドルを突破している。新中國成立後約30年の間、外貨準備は非常に限られていた。1978年の外貨準備高はわずか1億6700萬ドルであった。
潤沢な外貨準備高により中國経済は自信を強め、投機マネーによるマイナス影響防止と経済の安定的運営の確保を確実なものとした。
國際金融危機発生後、米國のアルトマン元財務副長官は「歐米各國の金融機関が苦境に陥っているのに対し、中國には誰もが羨む2兆ドルの外貨準備高がある」と所感を記している。
だが、巨額の外貨準備高は新たな「悩み」ももたらした。この數年の外貨準 備高の急激な増加は、過剰流動性などの問題を引き起こした。金融危機の拡大に伴い、世界中の金融資産は大幅に収縮し、膨大な外貨準備の運用リスクの高さが次第に明らかになった。
現在、國際収支狀況のさらなる改善と外貨運用とリスク管理の強化が、中國の外貨管理部門の重要任務となっている。
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粗鋼生産量世界一 生産能力過剰問題解決が急務
鉄鋼業は國の工業を支える屋臺骨の役割を果たす。1949年當時、中國の粗鋼生産量は16萬トンにも達しておらず、國民1人當たりでは300グラム未満と包丁1本すら作れない狀況であった。だが、1996年以降現在に至るまで、中國は粗鋼生産量世界第1位の座を維持。2008年には5億トンを突破し、米國、日本、ロシア3カ國の生産量合計値を上回った。
元首鋼集団董事長の羅氷生中國鉄鋼工業協會常務副會長は、鉄鋼業発展の歩みを見つめ続け、約50年間同業に従事してきた「鉄鋼老人(長年にわたる鉄鋼業従事者)」だ。だが、生産量世界一という現狀には、もはや大きな喜びを感じず、むしろ同業に存在する問題を懸念しているという。「近年、鉄鋼業は生産能力過剰や構造的な不合理といった突出した問題を抱えている」と語る。
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中國の粗鋼生産能力は新規増強分を含めると、今年末に約6億6000萬トンに達する見込み。だが、需要が5億トン未満にとどまることから、生産能力過剰問題の解決は急務となっている。
こうした中、中國政府が鉄鋼業の調整?振興計畫を打ち出したことは歓迎できる。この振興計畫は、総生産量の抑制、立ち遅れた企業?設備の淘汰、合併などによる業界再編、技術改善などに重點を置き、鉄鋼業の「大産業」から「強い産業」への転換を促している。
?チャイナネット? 2009年8月25日