中國人民大學マルクス主義學院 陳先奎教授
近頃、アジアにおける米國の行動が目立つ。これは、米國のイラク戦爭撤退と何か関係があるのだろうか。私が思うに、米國がイラク戦爭後に主な戦略標的としている國は中國を含む3カ國、あとの二カ國はロシアとEUである。
まず、米國の軍事覇権における主な戦略標的はロシアである。ロシアの強硬的な軍事挑発は、米國の軍事覇権において真っ先に片付けなければならない厄介者である。
ロシアは世界第2の軍事大國であり、國際軍事貿易競爭では長年第3位をキープしており、世界軍事市場において、米國を含む西側諸國の大きな競爭相手となっている。更に、早い時期から近代の西側列強間の覇権爭いに參加してきたロシア民族は、他の民族には見られない強硬な闘爭心を持ち、その戦略手腕は辛らつで、歐米各國も度々不意をつかれ対応できないほどである。
次に、米國の金融覇権における主な標的はEUである。ユーロがドルに取って代わることは、米國の金融覇権にとって致命的脅威である。
ユーロ出現前、世界の外貨準備はその80%がドル建てを採用していたため、米國は度々これを利用し危機を転嫁、相手國を自在に操る重要な道具としていた。
また、米國の赤字型経済は、世界の外貨準備における統治的地位にあるドルがもたらす様々な保障に依存しきっている。ドルがもしその統治的地位を喪失することになれば、ドル及び米國経済は數多くの國が経験した金融?経済危機に直面することになるだろう。それと同様に強調しておくべきは、EUが資本主義の金融、経済、政治、外交及び軍事においては、かなりのベテランであり、ユーロでドルに取って代わることを公に主張し、その強い希望と明確な意思を示している。