過去4年來、日本政治の建て直しの奇策と見なされ続けてきた大連立は、6月5日に民主、自民両黨の幹事長が前向きなメッセージを発したことで、ついに実現味を帯びてきたようだ。07年に自民黨が衆議院を、民主黨が參議院を押さえる「ねじれ國會」が出現して以來、日本政治の無駄な消耗や空転が激しさを増したことで、ユートピアとしての大連立への期待が大いに高まった。
震災後の3月29日に菅首相は自民黨に大連立の誘いの聲をかけた。だが1つには電話1本だったので誠意を欠くと思われたこと、もう1つには自民黨が逆転を狙っていたことから、大連立は再び蜃気樓と消えた。
だが東日本大震災のもたらした被害の深刻さ、復興作業の難しさ、政治體制の無能は、すでに日本全體が直面せざるを得ない大問題となっている。どちらの黨も単獨でリーダーシップを発揮できない中、大連立を組んで大事にあたることが、被災者や一般の國民から経済界、マスコミ、政界のエリートの共通認識となったようだ。
先日の両黨幹事長の発言によると、大連立政権は震災復興、社會保障、安全保障の3つの問題の解決に重點的に取り組むことになる。これらが順調に進めば、東日本大震災の陣痛によって産まれた新たな政治構造は、將來の日本の全體像の形成を人々の予測を超えて加速することになると言えよう。だが問題は、現在のたるんだ日本政界においては、大連立は間違いなく「言うは易く行うは難し」であることだ。日本政治の智慧が試される時はすでに到來している。
「人民網日本語版」2011年6月10日