日本メディアはこのほど、中國が日本の「防空識別圏」內で緊急出動という「過激」な手段を取り、自衛隊の航空機に対応し、米軍機に「つきまとっている」と報じている。また日本は早期より釣魚島(日本名:尖閣諸島)海域を防空識別圏に収めており、航空機が同空域に入った場合、日本の戦闘機による阻止を受けると伝えられている。いわゆる防空識別圏とは、いったい何なのだろうか。
防空識別圏とは、一國が空中防御の需要に基づき定める空中早期警戒範囲であり、軍の迅速な対応に役立てられる。一般的に、不明機が防空識別圏內に入った場合、関連國は戦闘機を緊急発進させ、パイロットの目視により識別し、かつ近距離追跡を維持する。しかし目標物が當該國の領空に入るまでは、著陸の強制や撃墜などの措置を講じる権利はない。これを行った場合、國際法に著しく背くことになる。防空識別圏は一つの防御措置に過ぎず、國際法における主権の範疇に屬さず、拘束力を持たない。防空識別圏はその他の國家の安全を脅かしてはならず、他國の領空を侵犯してはならない。
日本は現在一方的に、東中國海の上空に防空識別圏を設定している。日本の防空識別圏は東経125度以南を進み、北緯30度を経てから北緯25度?東経120度の方角(南西の方角)に向かい、東経123度に達してから真南に折れる。そのうち中國に最も近い空域は、浙江省の海岸から約130キロしか離れていない。これには釣魚島が含まれるばかりか、日本が自ら主張する東中國海の中間線を越えており、中國が東中國海に持つすべてのガス田を収めている。中國の航空機は本國の近海、東中國海の排他的経済水域の上空を正常飛行したとしても、日本の定める防空識別圏に「侵入」したことにされる。しかも日本の防空識別圏の北西部は、ロシアの海岸からわずか50キロしか離れていない。