日中経済協(xié)會

調(diào)査部長　高見澤學(xué)

　習(xí)近平國家主席は10日、ボアオ?アジアフォーラム2018年年次総會の開幕式に出席し、重要な基調(diào)演説を行った。習(xí)主席は演説で、次のように指摘した。

　「未來を見據(jù)え、我々は助け合い困難を乗り越え、協(xié)力しウィンウィンを?qū)g現(xiàn)し、開放的で柔軟な、互恵とウィンウィンの道を歩み続ける。開放型世界経済を構(gòu)築し、G20、APECなどの多國間枠組み內(nèi)での協(xié)力を強化し、貿(mào)易?投資の自由化及び円滑化を促し、多國間貿(mào)易體制を維持する。共に新技術(shù)?新産業(yè)?新業(yè)態(tài)?新モデルを作り、経済グローバル化のより開放的で包括的な、あまねく恵みをもたらすバランスの取れたウィンウィンの方向への発展を促す」

　筆者はアジアからの、新興國からの新たなビジネスモデルは、非常に期待すべきと思っている。

　今年3月の第13期全國人民代表大會（以下「全人代」）第1回會議が閉幕し、憲法改正や組織再編などが行われ、「新時代の中國」という新しいステージで、より良い未來に向けたメッセージが発せられることだろう。

　2018年は改革?開放40周年の節(jié)目の年であり、情報通信技術(shù)（ICT）の発展に伴う第四次産業(yè)革命の到來とともに、経済のグローバル化の推進が中國にとって最も重要なテーマとなっていることは間違いない。安全保障や地政學(xué)的にも國際環(huán)境は大きく変動しており、いろいろな面で不確実性が高まっている。

　ボアオ?フォーラムに先立ち、3月24日から26日にかけて、北京で「中國発展ハイレベルフォーラム」が開催され、中國內(nèi)外から世界を代表する大手企業(yè)のCEOやノーベル経済學(xué)賞受賞者をはじめとする著名な學(xué)者が數(shù)多く參加し、中國を取り巻く経済情勢について幅広く議論を行った。今回、特に印象深かったことは、これまでの経済実績を背景に中國自身が自信を深めていることに加え、世界がそれを高く評価し始めたという點である。

　今回のボアオ?フォーラムの重點は、アジアと新興経済體（NEXT11）に焦點を當(dāng)て、アジアの地域協(xié)力の推進を目的としているところにある。これこそ、まさにこれらの國の多くが中國の提唱する「一帯一路」構(gòu)想の対象地域であり、経済発展の潛在性が期待されている國々である。中國では、従來型経済の発展を基礎(chǔ)に、ニューエコノミーといわれる新たな産業(yè)が次々と生まれつつある。こうした産業(yè)が國境を越えて広まり易いのは、何といってもこうしたアジアや新興経済體といった國である。

　日本や歐米諸國など、先進國ではすでに既存産業(yè)に基づくインフラが整備されており、ニューエコノミーを浸透させるにはインフラを整備し直さなければならず、そのための費用や時間が余計に必要となる。一方、従來のインフラが未整備なアジアや新興経済體では、新たなインフラを建設(shè)するコストや時間のみで事が足りる。発展途上國で有線電話を飛び越えて一気に普及した攜帯電話の例をみれば、後発の優(yōu)位性は明らかである。

　ニューエコノミーの普及にとってさらに重要なのは、新たな産業(yè)分野における國際的なルールや標(biāo)準(zhǔn)の整備である。これもまた、既存のルールや標(biāo)準(zhǔn)に縛られない発想で対応できる國の方が、新たな仕組みや制度を受け入れやすいことは確かだ。著実に実績を積み重ね、アジア発、或いは新興國発のビジネスモデル創(chuàng)出への期待が高まっている。