林國本
中國と日本で出版、発売されている中國の日本語版月刊誌『人民中國』12月號特別附録の2012年カレンダーを見て、まさに目からウロコが落ちる気持ちになった。
1月から12月までのページにはそれぞれ1枚ずつ日本人畫家三好道さんのスケッチが使われていた。
私は數十年北京で暮らし、北京のことなら、ほとんど知っているつもりでいたが、なが年一市民として生活してきたせいか、感性がにぶってしまい、それほど感動するものがなくなっていることをこのスケッチを通して痛感した。歐米の畫家の個展はよく見に行っているが、自分たちの身辺にこんなにすばらしい風物詩が存在していることを知って、まことに恥ずかしいことだが驚いている。
表紙の「王府井の入り口」のマクドナルドのお店も、よく本屋めぐりの途中立ち寄っているが、せいぜい3時のおやつを食べに入っただけのことであり、感動とか風物詩と感じることはなかった。1月の「竜の舞い」のスケッチも、私はにぎやかだなあ、と感心して通り過ぎるだけだった。2月の「初雪の羅鼓巷」も、そこを通ったことはあるが、畫家のような感動はなかった。