陳言=文
オリンピック(2008年)と萬國博覧會(2010年)を契機に、経済などが成熟に向かっている中國は、第12次五カ年規(guī)畫(「十二?五」)を始動する2011年を迎えた。持続的な経済成長、新しい指導(dǎo)體制への移転準備、國際社會で大國として果たす役割など、経済発展計畫以上に中國はいろいろな試練に直面している。2011年は特に重要な一年であろう。
経済発展を成し遂げることは、決して容易なことではないが、中國は今まで30年余りの間に萬難を排して、それを手に入れた。1919年以降の30年間が民族解放を目指した期間だとすれば、1949年以降の30年間に、中國はいろいろな紆余曲折を経験しながら、近代國家としてその政治的意味を整理した。1978年以降の「改革開放」は、近現(xiàn)代であまりにも立ち遅れた経済を立て直し、少なくとも経済規(guī)模の面で中國は再度、世界の前列に仲間入りした。五輪と萬博で象徴されたように、中國は政治、経済、文化などを含めて自國のすべてを全世界に展示できるようになった。
経済の持続的な成長、またそれにともなって福祉制度の整備、社會改革などは、これからの30年間で、中國が新たな成果を上げていく分野だと思われる。産業(yè)構(gòu)造の転換だけでなく、いままで相対的に立ち遅れていた教育の再興、発展から取り殘された農(nóng)村や內(nèi)陸の都市の振興、さらに多くの工業(yè)都市の環(huán)境問題の解決などで、中國は數(shù)多くの新しい試練に直面している。
その意味で2011年は、「十二?五」を始動させる年だけでなく、新しい試練に向かって、今後30年の持続的な経済成長、社會変革を開始させる年でもあろう。
通信、素材、バイオなどの新産業(yè)の振興によって経済発展の新分野に進出し、同時に都市化は農(nóng)村人口の都市への移転をもたらす。內(nèi)陸部の発展速度は徐々に沿海部を追い抜き、そこの市場も拡大していく。中國経済も外資、輸出などの外部循環(huán)によって発展を成し遂げる方式から、國內(nèi)市場を多用する內(nèi)部循環(huán)をも生かしていき、內(nèi)陸部の振興によって持続可能な発展を図っていくだろう。國內(nèi)経済の比重が高くなり、本當(dāng)の意味での國民経済もこの期間中に形成されていくと思われる。
中國経済は、依然として個人経営、民営、國営、外資などの多種多様な形態(tài)を保っているだろう。また中國より數(shù)十年先に成熟経済に入った日本は、いろいろな面で中國の先生であり、學(xué)ぶ対象である。同様の成熟社會では、21世紀初頭の激動した10年間に現(xiàn)れた中日間のいろいろなキシミも初めて溶けていくだろうと期待される。新しい中日関係も2011年から構(gòu)築していかなければならない。中日両國はそれによって本當(dāng)の戦略的互恵関係を作り上げていく。
転換期を迎えた中國と中日関係は、2011年には特に注目されるテーマとなるに違いない。
陳言/コラムニスト、『中國新聞週刊』主筆。1960年生まれ。1982年南京大學(xué)卒業(yè)。 中日経済関係に関する記事、書籍など多數(shù)。
人民中國インターネット版 2011年2月