栗原さんはちょうど協會の常任理事定例會に參加したばかりとのことだった。2011年上半期の交流活動として、中國の文化部長との座談會を開催し中國作家協會の會員を日本に招待する一方で、日本からも蕓術家や出版界の専門家を中國に派遣している。また協會設立55周年を記念する席では、會長や理事長らが日中文化の共通點や相違點などについて講演會を開催したそうだ。下半期も更に多くの交流活動が予定されている。
栗原さんがロシア文學に傾倒し、愛読書がトルストイの『戦爭と平和』であることは私も知っていたので、彼女が演劇について話してくれた際も『アンナ?カレーニナ』だけは理解することができた。彼女は1974年に日ソ合作映畫『モスクワわが愛』に主演、『白夜の調べ』(1978年)、『未來への伝言』(1990年)でも非常に重要な役柄を演じている。栗原さんがロシアと交流してきたのと同様、中國との文化交流についても重要に考えていることは、彼女と実際に會い、日中文化交流協會の活動について聞く機會があったからこそ分かったことだった。
栗原さんは謝晉(シエ?チン 映畫監督)や濮存昕(プー?ツンシン 俳優)など、中國人數人をすらすらと挙げ、彼らとの交流についても話してくれた。しかし私にとって前述の2名以外は聞き覚えがない名前ばかりだった。90年代以降、中國映畫も日本映畫もあまり観ていなかったせいだろう。私にとって映畫といえば、それこそ『サンダカン八番娼館 望郷』や『愛と死』など日本映畫數作品なのだ。陳凱歌(チェン?カイコー)、張蕓謀(チャン?イーモウ)や馮小剛(フォン?シャオガン)によるここ10年ほどの作品を観たことはあるが、何だかごまかされているような気持ちになっただけで、人生や人の尊厳について考えさせられるような深い味わいを作品に感じたことはない。
目の前の栗原さんが3、40年前と変わらないように、私が映畫に対して抱く感覚も當時のままなのかもしれない。彼女がスクリーンで活躍していた時代こそが黃金時代だという思いは今後も変わることがないだろう。
?Billion Beats 日本人が見つけた13億分の1の中國人ストーリー?より
?中國網日本語版(チャイナネット)? 2011年7月7日