産業価値連鎖の上流から見て、
研究開発(高利益率)
→製品企畫(中利益率)
→部品生産(低利益率)
→部品加工?製品組立(低利益率)
→流通?物流(中利益率)
→ライセンス管理?小売販売(高利益率)
→ブランド管理(高利益率)
のように、粗くはありますが、上流から下流に従って「U」の字を描くように、利益率の構造が異なっているわけです。
たとえば、有名なアップル社のIphoneは、中國でも人気のある商品?ブランドでありますが、中國でこれだけ消費されているにもかかわらず、中國の企業はこの「低利益率」の部分しか擔當していないわけです。仮に十年以上前にIphoneがあったならば、中國人が購買できないほどに高価であったわけで、それは「工場」であるだけで納得がいったが、今は、中國人も購買できる市場が中國にあるのに、それでもまだ「工場」だけしかやれていない、ということが「不満」の原因でありますね。
さて、それでは、この「不満」の要因を解消するために、中國政府も後押しをして「産業構造の転換」を強く推進しているわけですが、まだまだ多くの問題をかかえます。ひとえにそれは、高利益率の部分を擔當できる「中國內で組織貢獻する人材の決定的な不足」が要因であります。果たして中國企業の経営者たちは、「工場」で得られた「キャッシュ」をどこに持っていけばいいか?ということですね。
「引進來」(世界からの引き入れ)政策からの転換が、「走出去」(世界への進出)が達成されないどころか、実は「低利益率な産業価値連鎖の一部」が「引進來」してきただけであって、実は「高利益率な産業価値連鎖の一部」は、中國に入ってきてなかったわけです。それでは、「走出去」には到達出來るわけはありません。
単純な海外企業のM&Aだけではいけません、はてさて、中國各地でわきおこっている、中國人工場経営者の皆さんの「不満」に対して、僕もこれに如何にそれを解決し貢獻していけるか、そして、日本の役割をそのプロセスの中で明確にメリットあるものとするか、大仕事なのでワクワクしているところです!
(中川幸司 アジア経営戦略研究所上席コンサルティング研究員)
?中國網日本語版(チャイナネット)? 2011年9月12日