(四) グローバルな課題に対処
中日両國は世界的に重要な影響力を持つ國家、主要経済體として、全世界において幅広い共通利益を有しており、日増しに増加する共通のチャレンジにも立ち向かっている。現在、世界金融危機の余波はまだ収まっておらず、歐米の債務危機も深刻さを増す一方で、世界経済が下降するリスクが拡大しつつあり、雙方は、世界経済の管理と重大な國際的業務において、共通の責任を擔っている。
雙方は、國連、G20(二十カ國?地域首脳會議)、APEC(アジア太平洋経済協力會議)など、多國籍の枠組みを十分に生かし、グローバル経済の安定、國際金融體制改革の推進、世界経済の管理メカニズムの改善などにおいて、密にコミュニケーションと協調を保ち、保護貿易主義への反対などの領域において互いに支えあうことができる。國連のミレニアム発展目標、気候変動への対応、テロ取締り、資源とエネルギーの確保、食糧の確保、感染病対策などのグローバルな課題における互恵協力の展開が期待される。とりわけ、共に資源、エネルギーの輸入國として、中日両國の関連企業が資源開発、プライシング(値決め)、輸送などで戦略的協力の展開を推進することも期待される。
(五) 早急に海上危機管理を
中日間には東海に関して、多數の論爭があり、矛盾が交錯し、極めて複雑で敏感であり、両國の安定した発展にとって、際立って現実的かつ潛在的な危険要素だ。海洋問題について、私は、両國関係の大局に著眼し、未來に向かい、これまでに達成した諒解と共通認識を遵守し、対話と協議を通し、慎重、適切に対応すべきだと考えている。
焦眉の急は、海上危機管理とコントロールを強化し、そのメカニズムをできるだけ早く完成させ、突発事件の発生を未然に回避することだ。雙方はまた、西太平洋海洋環境の合同調査、シーレーンの安全確保の共同維持などの試みを展開すべきだろう。様々な努力を通じて、協力するという思考回路で難題を突破し、チャレンジをチャンスに変え、東海と西太平洋を真の意味で「平和、友好、協力」の海に変えなければならない。
昨日、溫家寶総理は今期委員會の雙方委員と面談した折、この會合に対し強い希望を述べ、雙方委員が來年の中日國交正常化四十周年と中長期的な中日協力の発展に関して、重要な建設的意見とおおよその思考方向を提案し、四十周年記念で政治的な相互信頼と國民感情を増進し、中日の友好協力の促進に寄與するように、期待を表明した。この発言は今回の會合に重要な指導的意義があることを表明したものだ。
中日國交正常化四十周年は両國の発展史上の新たな里程標であり、両國関係の発展に新たな重要なチャンスをもたらす。雙方は十分にこのチャンスを活用し、豊富で、多彩なイベントを主催し、各分野での交流と協力における実質的な進展を推進し、両國関係の長期的発展に向けてよい基礎を作るように努力しなければならない。
目下、両國政府は積極的に企畫し、各界の意見に広く耳を傾けている最中だ。両國政府のシンクタンク機構として、第五期中日友好21世紀委員會は、この方面において負うべき責任があり、四十周年記念イベントの積極的な企畫者、參加者になるべきだ。私は雙方の委員が「今」に著目し、また長期的視野をもって、四十周年記念イベントの內容について、どのようなテーマにするかなどについて、具體的に提案し、戦略的な見地から、中日関係の中長期的発展に思考と構想、提案を出していただけるよう心から願っている。
中日関係はいま、重要な転換期にさしかかっている。その発展の未來図は、われわれの子孫、そしてこの地域の平和と発展に極めて重大な影響がある。手を攜え、共に努力し、両國の各界人士が一丸となって、中日の戦略的互恵関係が継続的でより深いレベルで前進できるよう、先人たちに恥じない、時代に恥じないように貢獻しよう。
「人民中國インターネット版」 2011年11月28日