安倍晉三首相にとって、1月26日は「鼻高々な日」となった。安倍首相はインドの「共和國記念日」記念パレードの主客として、インドの指導(dǎo)者の隣に座り軍事パレードを観閲した、日本の初の首相になったからだ。安倍首相もその誇らしさを隠そうとせず、同行していた日本の記者に対して、「インド最大の式典において、日本の首相が主客として招待されることは、歴史的な一大事だ。今回のインド訪問により、日印両國の安全協(xié)力が強(qiáng)化された」と語った。しかしインドの記念式典の主客になったことは、安倍首相が最も喜んでいることではない。安倍首相はシン首相と首脳會談を開き、海上自衛(wèi)隊(duì)が米印両國の海上合同演習(xí)に參加することで合意に達(dá)した。また日印両國の首脳は協(xié)力強(qiáng)化により、海上の航行の自由など海上安全問題について意見を一致させた。
安倍首相を最も喜ばせた、裏に隠された原因は、「インド抱き込みによる中國けん制」だ。これは安倍首相のインド訪問の最も重要な目的でもある。日本にとって、インドはいわゆる「西側(cè)的な価値観」が近く、また両國間には複雑な歴史?領(lǐng)土などの対立が存在せず、両國は共に「日増しに強(qiáng)大化する中國に対する戦略的な懸念」に直面している。これらの、主観的にインドと関係を深化させられると判斷するさまざまな要素により、日本は近年インドに対して色目を使っている。安倍首相は再任してから1年余りに渡り、「中國抑制」の道を大股で歩んでいる。「安倍外交」の主な目的の一つは、中國けん制だ。安倍首相は特に、中國周辺諸國の役割を最も重視している。安倍首相の1年余りの外交路線も、これを裏付けている。安倍首相はASEAN10カ國の歴訪を終え、モンゴルやロシアなどを訪問した。
しかし安倍首相の、某國を抱き込み中國を抑制するという外交努力が、奏功するとは限らない。安倍首相は今回の大掛かりなインド訪問に向け、出発前に多くの準(zhǔn)備を進(jìn)めていた(天皇夫妻のインド訪問、小野寺五典防衛(wèi)相のインド訪問)。安倍首相はインドに強(qiáng)い期待を寄せていたが、これによりインド抱き込みによる中國抑制の外交目的は実現(xiàn)されるだろうか。言うまでもなく、これにはさまざまな圧力があり、効果は非常に限られている。
まず、インドが日本の抱き込みに追隨するはずがない。これについては、インドの國情から説明しなければならない。インドは人口が12億人にも達(dá)する開発途上の大國だ。インド経済は近年になり一定の発展を?qū)g現(xiàn)し、BRICs入りを果たした。しかしインドの全國各地の発展は非常に不均衡で、貧富の格差が深刻だ。経済協(xié)力開発機(jī)構(gòu)の報(bào)告によると、インドの貧富の格差はさらに拡大されており、約3分の1のインド人が貧困ラインを下回る生活を送っている。インド政府の2010年の統(tǒng)計(jì)データによると、全國の貧困者數(shù)は3億8000萬人弱に達(dá)した。富の分配が不均衡という原因のほか、インド社會に根ざしているカースト制が社會の分化を深刻にしている。カースト制は人種と社會の役割の違いを基礎(chǔ)としており、身分が低い姓の人は生まれつき劣勢に立たされ、教育と雇用の機(jī)會が限られ、貧困?立ち遅れの悪性の循環(huán)に陥る。
インドの経済発展の深刻な不均衡は、外交面で影響力を拡大しようとする試みを制約している。インドは正真正銘の地域の大國になるという外交戦略の野心を抱き続けているが、この外交戦略はインドの「同盟を組まない」という原則の上に成り立つ。歴史、國情、複雑な宗教の信仰により、インドはその他の大國による外交戦略の指揮に完全に従うことができない。仮にインドの外交が他國の指揮に従ったならば、地域、ひいては世界の大國になるという外交戦略が泡と化す。外交戦略面で他國の指揮に従う國が、どうして大國になれようか。
「中國網(wǎng)日本語版(チャイナネット)」2014年1月28日