當然ながら日歐の共同聲明は、雙方の「共同の意見」の現れだ。歐州は中國問題及びいわゆる「インド太平洋問題」でも米國に歩調を合わせ、日本などのインド太平洋諸國の力を借りる需要がある。歐米日は當時のG7の重みと同様、國際秩序は自分たちが主導すべきという姿勢を崩していない。彼らは國際社會の覇権の既得権益者になっており、この既得権益に関わるすべての「脅威」「挑戦」を敵視する。これらの國が近年、いわゆる「自由、民主、人権などの普遍的な価値を基礎とする國際秩序を守る」と再三喧伝し、「力による一方的な現狀打破」に反対しているのはそのためだ。いわゆる「現狀」とは、彼らの既得権益の固定だ。
日本が口にする「現狀」は歐州よりも多層的だ。日本は西側主導の國際秩序の重要なメンバーであり、中國の隣國でもあり、さらにはアジアの「國際代表」であるべきと自認し続けている。そのため日本は「現狀」維持により積極的で、自國の既得権益が失われることにもより敏感だ。安倍政権が「自由で開かれたインド太平洋」を日本の外交の最も中心的な枠組みとしたのも、深い考えがあってのことだ。この枠組みには価値観の要素が含まれるが、これは日本が歐米、さらにはインド太平洋のいわゆる「民主國」を抱き込むための重要な口実と舞臺になっている。この枠組みにより、日本は自國を西側を軸とし価値観を基礎とする國際秩序の旗手、急先鋒にしようとしている。同時にこの枠組みには明確な地政學的境界がある。つまり日本はインド太平洋という領域において、自國はより重要な力を発揮すべきと考えている。米國に學ぶ日本は、自國の「裏庭」の既得権益は侵されるべきではないと考えている。
一部の親米勢力が中國の「脅威」はすでに舊ソ連を超えていると喧伝したが、このセンセーショナルな説がEU及びその加盟國の意思決定者の認識を変えられないことは明らかだ。歐州の利益は主に歐州大陸と周辺地域にある。英國やフランスなどの歐州主要國はもはやかつての世界的な植民大國ではなく、過去數十年に渡りアジア太平洋地域における現実的な利益が縮小している。
米國は世界の覇権を出発點とし、日本は地域の主導権の爭奪を出発點としており、アジア太平洋事務により積極的に介入している。歐州が日米と歩調を合わせるのは、上述したように米日を利用しその「価値観」と國際秩序を守ることを示すためだ。またアジア太平洋への軍艦の派遣、日本などとの軍事演習といった中國への挑発により、地域における「存在感」をアピールするためだ。また、歐州はアジア、もしくはいわゆるインド太平洋地域の経済及び地政學的な重要性を確かに意識しており、同地域で事前に展開しようとしている。現在はまだ戦略の方針を固めていないだけだ。特にバイデン政権の発足後に何度も抱き込まれたことで、アジア太平洋事務及び対中問題を含め、歐州の一部の「大西洋主義者」が米國に大きく傾いている。
全體的に見ると、日歐の今回のテレビ會議の中國に関する文言は極めて亂暴だ。雙方には都合のいい計算があるが、中國に強硬な姿勢を示すことで願いどおりになることはない。
?中國網日本語版(チャイナネット)?2021年5月28日