日本の右翼メディア「産経新聞」は12日、米英豪が日本に対して非公式の場で、「AUKUS(オーカス)」への參加を打診していると伝えた。日本の官房長官は13日にこの情報を否定したが、多くのアナリストは「火のない所に煙は立たない」と見ている。(筆者?廉徳瑰上海外國語大學日本研究センター主任、教授)
実際に日本政府內にはオーカスへの參加を主張する聲が常にある。彼らは、日本はアングロ?サクソン諸國と共に中國をけん制すべきで、日本は中國と米國の戦略的駆け引きをめぐり西側に立ち、かつ機會を利用し日本の軍事力を強化すべきと考えている。さらには、日本は専守防衛を捨て、敵基地攻撃能力の保有を検討すべきとの主張もある。安倍晉三氏はさらに、日本が米國と核兵器を共有するという案を掲げた。政府に圧力をかけつつ、メディアに情報を発表させることで民意に探りを入れる。これは日本の右翼?タカ派の常套手段だ。
日本がオーカスに參加すれば、これは米國が目指す「インド太平洋戦略」という政治的枠組みの一部となる。ところがオーカスが日本を吸収できるかはより複雑な問題であり、日本の右翼が考えているほど単純ではない。
豪州を除く英米両國は地理的位置の制限を受けており、オフショア?バランシングによりユーラシア大陸の臺頭する國を抑制することがその地政學的戦略となっている。過去200年の英國の外交政策は、ユーラシア大陸の臺頭する國の隣國を利用しその國をけん制する特徴を示している。英國はかつて、プロイセン、オーストリア、ロシアを利用しフランスの臺頭をけん制し、さらにフランスとロシアを2回利用しドイツの臺頭をけん制した。米國は冷戦時代にNATOを利用しソ連をけん制し、冷戦終結後はまたNATOの東進を畫策しロシアをけん制した。
當時の英國と同様、米國もユーラシア大陸の軍事衝突に直接巻き込まれることを極力避けようとしている。米國は2度の世界大戦で終戦間近になり終局を取りまとめ、支配的地位を得た。今回のロシア?ウクライナ戦爭でも、米國は類似する戦略を講じ、NATOのその他の加盟國のロシアとの対抗を促している。米國自身は相手が精根盡き果ててから姿を現し、「成果」を手にするだろう。ある學者は米國の地政學的な本質を分析し、オーカス諸國がユーラシア大陸と海を隔てており、軍事力の投入の制限を受けるため、必然的に臺頭中の國の脅威にさらされている隣國を操りけん制すると指摘した。米國はまたこの論理により、中國の「脅威」にさらされている國を利用し中國の臺頭をけん制しようとする。しかし米國は衝突に巻き込まれたくはない。
米國にとって、日本、南中國海沿岸の関連諸國、インドなどは、中國けん制の潛在的な勢力だ。米國の「インド太平洋戦略」はこの地域で中國と隣國の衝突を生み出し、隣國を利用し中國の臺頭をけん制するものだ。そのため米國の戦略的構想と実踐の慣例によると、米國は衝突が発生してもすぐにはいわゆる同盟國もしくはパートナーへの安全の約束を果たさず、これらの國を利用し中國の実力を消耗させようとする。米國はこれらの國の利益や生存を念頭に置かない。米國はアジア太平洋地域で策動し引き起こすすべての軍事衝突において、制裁、武器輸出、世論戦、情報戦などの手段により同盟國を支援するが、最終段階になる前に軍事力により直接介入することは決してない。
日本の右翼勢力が米國のこの戦略的手段を熟知していないわけではない。しかし彼らには戦後レジームからの脫卻、つまり最終的に米國の束縛から逃れ「普通の國」になるという執念がある。日本の右翼は、米國のアジア太平洋における地政學的戦略も利用できるチャンスと見ている。米國が「野放し」にすれば、日本は再武裝が可能だ。しかし日本が中國をけん制するどのような安全枠組みに參加しようとも、米國が設定した戦局に足を踏み入れれば、米國の真の支援を期待できない。日本は米國の代理戦爭をするだけだ。中國を脅かすどのような軍事行動においても、日本が悪事を働けば自ら破滅を招き、米國の戦略的なスケープゴートになるだけだ。あらゆる計略をめぐらしても、策士策に溺れることになるだろう。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2022年4月14日