國家統計局のデータによると、2014年、中國における労働年齢人口(16~59歳)は9億1600萬人で、前年比で371萬人減少した。3年連続の減少となる。
テレビドラマ「一人っ子の姑と母」が80年代生まれの世代の共感を呼んでいる。現在多くの人が、男性主人公と同様に1人で6人の老人の世話をしなければならないからだ。1つの家族に労働力が少ない一方、養うべき人は多い。これが中國の現実となっている。
これは今後普遍的な現象となるだろう。中國の労働力人口は2012年にピークを迎え、その後は減少を続けている。「労働年齢人口の変化を語るときに注意すべきは、実際の労働年齢人口の內部構造も変化しているということだ。労働年齢人口內の高齢化傾向はかなり前から始まっている」と、西南財経大學人口研究所の所長、楊成鋼氏は指摘する。15~59歳という年齢間において、比較的多いのが40歳以上の中高齢労働力である。彼らは中國の第一次ベビーブーム(1950~1957年)、第二次ベビーブーム(1962~1972年)に生まれた。現在は労働年齢內にあるが、まもなく老齢枠に移ることになる。
扶養/被扶養の割合の観點から見れば、若年層が多く老人が少なければ、経済社會発展に有利となる。しかし現在の中國の人口構造は、高齢化と少子化が共存する狀況にあり、労働力人口のバランスが崩れ始めている。「先進國の高齢化は2つの段階を経てきた。第一段階は少子化で、子供を育てたい人が減った。第二段階は長壽化で、壽命の延長が予期されている。しかし中國では、少子化と長壽化が同時進行している。日本や韓國などでは、中進國時代はピラミッド型の人口構造だった。中國の人口は高齢者が多くなっており、良い構造になっていない」と、中國社會科學院労働経済研究所の副研究員、陳秋霖氏も指摘する。