中國現代世界研究センター研究員 肖楓
昨今、中米関係が人々の耳目を集めている?;颏胝撙稀该讎夏媳眮I端から中國を封じ込めようとしており、中米間の戦略合戦は避け難い」と言う。また或る者は「中?米はもともと“見せかけの友人関係”であって“パートナー関係”ではない」と言う。さらに或る者は「“弱國に外交なし、落後すれば叩かれる(弱國無外交、落後要挨打)”。現在の中國は國力が強まり、その根本部分は固まった。國家の権益保護につき、もっと急ピッチで推進していくべきだ」と言う。この種の議論が及ぶ問題はみな一様に複雑であり、単純化して捉え、対応するべきではない。
中米関係の複雑さを十分に認識する必要
中米関係は従來から一貫して複雑であって、“黒にあらずんば即ち白(非黒即白)”というような極端な思考によって捉え、対応するべきではない。
まず第一に、これまで中米関係が再三にわたる困難を克服し現在に至るまで発展し続けている最大の理由は、両國間に“共同の利益”が存在していることである。これは、國交樹立以來三十數年の歴史をみれば、明らかである。冷戦終結前においては、中?米の共同の利益は主に“共同の敵”(ソ連)に対処するという戦略上の利益であった。“9?11事件”以後は、主に“共同の使命”(反テロリズム)という戦略上の必要性があった。2008年の金融危機以降は、グローバルな“共同の挑戦”に対処することで形成されるより広範な“共同の利益”が主となった。中米間の矛盾や摩擦は絶えず、またこれを避けることも不可能である。しかし、総體的にいえば、両國の共同の利益の方が両者の一致しない要素を上回っているがために、両國は常に困難を克服して前進し続けることが可能なのである。
第二に、中米関係論の性質は“位置づけ”をすることが困難である。中?米の関係は単純に“友人”ということはできない一方、逆に“敵”であるということもできない。そのため、かつては“敵にも友にもあらず”というような言い方をされたこともある。その後、“建設的戦略パートナー関係”とか“共同の挑戦に対処する戦略パートナー関係”などと稱されたり“利益関係を有する者”との捉え方も登場した。このような両國関係の呼稱や捉え方が多様であることは、正に中米関係の複雑さを客観的に反映するものであるといえよう。
第三に、中?米両國は、イデオロギーも社會體制も価値観も異なる二つの大國であって、“戦略的相互信頼”を構築することも容易なことではない。中?米の経済?軍事?文化などの領域における二國間関係と、國際或いは地域の問題上直面する“共同の挑戦”とは、両國が協力しWin-Winを実現するのに必要な土臺に多くのものをもたらした。しかしこれらはまた同時に、両國間の矛盾や摩擦を生ずる機會の増加にも寄與した。