----米國人は中國の意図に明らかに懸念を抱いている。作戦中に墜落大破した米軍のハイテクヘリの殘骸への接近をパキスタンが中國に許可したというのは事実か。
中國、パキスタン両國ともに、その噂を否定している。重要な問題は「中米両國は敵なのか?」「われわれは戦爭へ向かおうとしているのか?」「われわれは相手國との開戦を準備しているのか?」だろう。中國側にこうした考えがないのは明らかだ。対中武器禁輸を堅持する米國の姿勢は非友好的だ。中國に米國を脅かす意図はないのに、西側は常に冷戦の枠組みで中國を見ており、中國は常々理解に苦しんでいる。
----ドイツ人の多くは中國の発展に敬服する一方で、中國を協力パートナーではなく競爭相手として見ている。これは中國にとって理解できることか?
良い問題を提起してくれた。私もずっと考え続けてきた問題だ。中國が発展したことを認め、中國の多くの庶民が貧困を脫したことを認めるのなら、中國の行ったことが確実に正しいことを認め、異なる政治制度の存在も認めなければならない。西側諸國は自らの制度のみが実行可能との狹隘な考えを抱いている。あなた方の國ではそうなのかもしれないが、最近の金融危機で明らかになったように、西側の體制にも問題は生じるのだ。
----長年の中國ウォッチャーでも中國の政策決定過程は把握できない。多くの人が中國の政策決定と意図に懸念を抱き、透明性を欠くと感じている。これは意外なことか?
中國の政治制度はその歴史経験から生じ、自らの文化に根差したものであり、現在たゆまぬ改革の過程にある。その改革內容の1つが、民主的政策決定メカニズムの強化だ。正しい政策決定を確保するためには、民衆の求めと批判に耳を傾けなければならない。どの政権でも大衆とのつながりが斷たれれば継続は困難だ。われわれは批判的な目で自らを見據えることができる。
現在はむしろ西側諸國の政府が問題に直面している。われわれは西側で起きていることを緊密に注視し、理解しようと努めている。「なぜこれほど多くの政府が過ちを犯すのか?」「なぜ政黨は実行できない約束をするのか?」「なぜ借金財政になるのか?」「西側は冷戦終結後に停滯し始めたのか?驕り高ぶるようになったのか?」----。