「キャビア」、「財布」、ロシアの未來
「クリミア?シャンパン、キャビア、監獄」――。ドイツのテレビ局が最近放送したロシアに関するドキュメンタリーで、ロシア人の以前の東部に対する見方を表した言葉だ。同報道によると、ヨーロッパとアジアをまがるロシアでは、モスクワと極東は大きな「視覚的違い」があり、極東はずっと忘れられた片隅で、そこは長い間、監獄と失敗の象徴だった。しかし近年世界の羅針盤が東方を指し、この地域はロシアの未來となった。
ソ連崩壊後、ロシアは経済困難に陥り、エネルギーの輸出に依存するほかなく、極東の天然ガス資源がロシアの「財布」となった。昨年、プーチン首相は極東とバイカル地域の2025年発展戦略計畫を承認した。
華東師範大學ロシア研究センターの楊成副主任は18日、環球時報の記者に対し、ロシアの対外政策上の東方に対する戦略的注目度拡大が顕著になってきていると指摘。過去1年、ロシアの將來的な政治?経済の発展とアジア戦略の関連性に関する議論がロシアで高まっている。プーチン首相、メドベージェフ大統領から一般官僚まで様々な場面で、ロシアの東方への戦略移行の強化を強調。特に注目されるのは、ロシア國防?外交政策委員會などトップクラスのシンクタンクが相次ぎ報告を発表し、新たなアジア太平洋地域戦略を呼びかけていることだ。ロシアがこれほどまで東方に関心を持つことはこれまでになかったことだ。
「ロシア大國戦略の最大の特徴は同國が歐州とアジアという2つの世界を結ぶことにある。東洋と西洋という2つの世界に接する地理的な特徴がロシアに安全をもたらしているが、アジアは辺鄙で人口が少ないため、これまでロシアが全面的にアジアに関心を向けることはなかった」と日本のロシア?東歐學會の三井光夫氏は語ったことがある。では、なぜロシアの気が変わったのか?
日本の「行政調査新聞」サイトは今月7日、西側の経済が危機的狀況に陥って以來、ロシアの戦略に変化が生じたと伝えた。それによると、ロシアはすでに國家発展戦略を極東?太平洋方向に切り替えた。今年、ロシアと朝鮮は、朝鮮を経由して韓國に送る天然ガスのパイプライン計畫について協議する予定だ。経済戦略の転換で當然軍事戦略も転換された。今年春以降、ロシアは極東に日本の海軍力を凌駕する巨大艦隊を建設中だ。ロシアの動きは太平洋に圧力をもたらすとみられ、韓國は済州島の軍事基地を整備、米國は臺灣へ武器を売卻し、ロシアに対抗しようとしている。
ニューヨークタイムズ紙によると、プーチン首相が打ち出した「太平洋戦略」と「ルックイースト」は危機感からきたものだという。ロシアは東歐と舊ソ連圏內において、西側勢力との対立で明らかに劣勢にある。こうした狀況の中、アジアと極東の安定がロシアの國家安全保障と戦略的利益の重要な保障になるというのだ。ドイツ紙は17日、「ロシアの未來は極東にあり」との見出しで、ロシアは數年前まで歐州により近かったが、東方部分も忘れたくないようだとし、ロシアの歐州部分はこれまで累積してきた舊大陸の富と文化資源を保留しつつ、アジア太平洋における地位に國家の未來を託すつもりだと報じた。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2011年10月21日